マンションでも木のぬくもりを


マンションにも木は使えます。

マンションはまだ50年そこそこの新しい住まい方です。新建材が開発されるたびに積極的に取り入れられてきました。新築マンションを見ると、ピカピカの素材に包まれていますが、それが新築であり、マンションであると皆刷り込まれているのが現状ではないでしょうか。「マンションで木は使えないと思っていた」という私たちへの問い合わせが多いこともそれを裏付けていると思います。

木の内装の効能や林業や環境についての問題ももちろんですが、私たちが言いたいのはただ一つ。「マンションはいわば鉄筋コンクリートの箱。無機質な箱の中に住むのなら、せめて内装は自然なものを使わないと気持ち悪くないだろうか」ということだけです。

都会住まいの象徴であるマンションに木を使うことは特別なことではありません。マンション黎明期や初期の公団住宅には内装に無垢材が使われていました。

ですからリフォームで木とマンションを組み合わせることは、少し昔の姿に戻してやるだけとも言えるはずで、既製品で組み合わされた新築マンションにはない大工の腕の見せ所もでき、それは木を扱う技術の伝承にもつながるはずです。

私たちはこれからも国産の木を使ったマンションリノベーションに取り組んでいきます。

例えば、こんなところに。

yokohama-minami-mm08

● 床

ムクリノでは、奈良県吉野産の杉の床材ををご提案しています。薦めるのは、もちろん好きだからというのもありますが、杉材こそがマンションの床に最も適していると思うからです。その思いは、使えば使うほど、ゆるぎないものになりつつあります。
どんなに優れた加工をされた合板フローリングでも、いつかは傷や汚れがつきます。表面が平滑でピカピカであるがゆえ、付いた傷や汚れはとても目立ちます。また細かい傷がたくさんつき、どんどんくすんで輝きを失っていき、「古く」なっていきます。最初が100点で、少しずつ減点されていくわけです。

逆に、日に焼けるほど深みを増し、人が歩くほど表面が磨かれツルツルになっていく無垢の杉の床は、最初は100点には及びませんが、少しずつ加点されていくような気がするんです。『古美ていく』、という表現を良く使いますが、上手く言ったものだと思います。

傷はつきにくいけどスリッパが居る家と、傷は付くけど素足が気持ちいい家。

どんどん「減点」される家と、どんどん「加点」されていく家。

私ならどっちに住みたいだろうか?と考えれば、自ずと理由はみえてきます。

amagasaki-tk011_e6a8b67e-e8d5-4c48-bc8e-fa9b7e785545

● 玄関網戸

マンション住まいの方で、玄関にアルミの折戸網戸を付けられている方は非常に多いと思います。

本来マンションは南北に窓があり、風が通りやすい建物なのですが、大抵は細かく部屋が区切られているため、玄関ドアを開けないと風が通らない場合が多いです。逆に、玄関を開けてやればかなりの通風が期待できる、ということですが、アルミの折戸網戸は見た目が今ひとつですし、冬は邪魔になります。

そこで、リノベーションの際に玄関網戸を引戸で作ってしまう、ということをご提案することがあります。物件によって採用しやすい、しにくい場合があり、また既成品に比べデメリットもありますが、春、夏、秋となるべく自然の風を活かしながら生活したい、という方には根強い人気があります。

09

● 引き戸

マンションリノベーションでのプランニングにおいて、私たちが大事にしていることの一つが引戸(ひきど)です。プランニングの際は基本的に全て引戸として考えます。引戸は日本の住宅に昔からある装置であり、日本人のライフスタイルに最も適していると思います。

kobe-suma-mn03_683b040a-fae9-4fd9-ba7e-c644490dbf9d

● シューズクローク

私たちのプランニングでもよく登場するのが『シューズクローク』です。マンションはどこもほぼ同じような間取り、玄関から長い廊下が続き、小さな下駄箱がある、というケースが多く、収納量はもちろんのこと、玄関の幅が狭いことでの圧迫感や暗さも気にされている方を多く見かけます。また、ベビーカーやお子さんの習い事関連の道具、ゴルフバックなど、できれば室内には入れたくないけど、外には置けないというモノの置き場、ソトとウチの中間領域といった空間としても役立つのがシューズクロークです。